専門用語の説明

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井戸と地層について

地層について

表層

水を通しやすい地質の層

帯水層

水を取水する層です。不圧帯水層と被圧帯水層の二つがあります。

不圧帯水層

帯水層の一つです。地上から比較的浅い位置にあることが多く(~30m)、表層から浸水します。

そのため、環境の影響を受けやすく水質が悪いこともある。また、不圧帯水層は他の井戸の影響も受けやすく井戸枯れも発生しやすい。

昔(江戸時代~昭和初期頃)は、このがメイン

被圧帯水層

帯水層の一つです。地上から比較的浅い位置にあることが多く(30m~)、環境の影響を受けにくく水質も良いことが多い。圧力がかかっていて、この層の地下水は川のように水流があります。

不透水層(難透水層)

水を通しにくい層

掘削中に採取した地層のサンプル

地層判別のために、行っています。

採取したサンプル

図・グラフ に起こしたもの

「◎m~◎mの深さに砂がある」、「◇m~□mの深さに砂利がある」などがわかります。

 

井戸内について

裸孔(らこう)

掘った穴の部分

ケーシング

最終的に井戸になる管

ケーシングの素材

ケーシングは、下記のような素材があり、口径や深さ、井戸水の使用目的により使い分けられます。

家庭用 塩ビ管(水道用硬質塩化ビニル管(通称、塩ビパイプ)がほとんどです。
業務用 塩ビ管、鉄管、FRP管、ステンレス管など用途により異なる

ストレーナー

ケーシング管のうち、地下水がケーシング内に入ってくるように開けられた穴がある部分のことです。

充填砂利

ケーシング管内に、細かい砂などの侵入を防ぐとともに、ストレーナーと裸孔の間の隙間を埋めます。

砂留まり

地下水がケーシング管に入ってくるときに、充填砂利やストレーナーの網をかいくぐって入ってきた 小さな砂や、スケール(水垢)を沈殿させる場所です。

※スケールについては、ページ後半の「事業用井戸のメンテナンス(改修)等」でも説明しています。

スケール

一般的には、水垢と呼ばれるもので、鉄やマンガン、カルシウムや塩分などミネラルが解けだした水のことです。

お風呂場などでは、蒸発して固まってしまった状態のものが見られますが、井戸内では、常に水が貼る為、ぬるぬるしたスライムや泥状のものが多いです。

無機質のものなので、雑菌が繁殖したりはしませんが、放置していると次第に付着している部分が組織を侵食しますので、塩ビ管がぼろぼろになってしまうなどの弊害も発生することがあります。

井戸を長持ちさせるためにはなるべく定期的なメンテナンスでスケールを取り除くことが必要です。

 

井戸内図

 

井戸ポンプとケーシング管の関係

 

井戸ポンプの種類

家庭用
(100V)
  • 深井戸水中モーターポンプ(ユニット一体式)
  • 浅深両用自動ポンプ
業務用
(動力タイプ)
  • 受水槽式
  • 圧力タンク式

などがあり、井戸の深さ、井戸水の使用目的、使用量などにより使用するポンプは異なります。

家庭用

家庭用のユニット一体型ポンプ

業務用

業務用の水中ポンプ

左:受水槽 右:圧力タンク

工事について

工事の作業等について

地下水誘導作業

帯水層から水をケーシング内部に呼び込む作業です。

揚水試験

揚水能力を調べます。スクリーンから入ってきた地下水が、井戸内で常時どの深さに溜まるかを確認します。その位置を見てポンプを設置します。

揚水能力

水をくみ上げる能力のことです。

揚水試験中

二次側配線

井戸からくみ上げるポンプに給電するための配線(下図オレンジ色線)のことを指し、当社では二次側配線も行えます。

電線から制御盤までの配線は一次側配線(下図赤色線)といい、これは電気工事業者さんが行います。

※家庭用でこのような設備が必要になることは有りません。

 

二次側配管

井戸からくみ上げた水を建物内に給水する前に貯めておくタンクや貯水槽(写真は、「タンク」)までの配管(下図青色線)のことを指し、当社では二次側配管も行えます。

一次側配線(下図緑色線)は、管工事業者さんが行います。

※家庭用でこのような設備が必要になることは有りません。

 

 

事業用井戸の改修、ポンプ交換、メンテナンス等

以下の工事は、基本的には、家庭用の井戸では行いません。(口径や管種類が不適なことと、コストの兼ね合いが理由です。)

また、井戸の状況に合わせて工法を選択しますので全ての作業を行うわけではありません。

井戸改修工事

井戸内の洗浄作業(スケールなどを取り除く作業)や破損したケーシングを補強する工事(2重ケーシング補強)を行うことを井戸改修工事といいます。

井戸改修時には、必ずポンプを引き出してから作業を行います。

井戸改修後は、ポンプに異常がなければ、もともと据付けてあったポンプを井戸内に戻します。

井戸ポンプ交換工事

井戸ポンプの分解清掃・整備 又は 交換を行うことを、井戸ポンプ交換工事といいます。

メンテナンス

井戸や井戸ポンプに不具合が生じないように、定期的にそれら(井戸改修工事、井戸ポンプ交換工事)を単体又は組み合わせて行うことをメンテナンスと呼びんでいます。

なお、ポンプ交換のうち、定期メンテナンスなどで引き出したポンプが壊れていないことも有りますが、耐用年数前にポンプ交換することを、ポンプ更新と呼んでいます。

 

井戸の洗浄作業について

井戸更生剤投入

特殊な、井戸内部の汚れを除去する薬品です。この薬品を使用することによって、井戸内部ストレーナーの目詰まり、またストレーナーの外の帯水層の目詰まりも解消する事ができます。

攪拌機で薬品と水と攪拌後、井内に投入していきます。

ブラッシング作業

ケーシング内部に付着したスケールを落とす作業です。ブラシを上下して行います。

スワビング作業

ケーシング内部に付着したスケールを落とす+ストレーナーに詰まった(目詰まりした)スケールを除去する作業です。

スワブ玉/スワビングカップと呼ばれる器具を井戸内に挿入し上下運動(ピストン)させて行います。

ケーシング管が壊れているときは、先に2重ケーシング補強を行ってから実施します。

浚渫(しゅんせつ)作業

井戸底の土砂を浚いあげる(さらいあげる)ことを言い、ベーラーという器具を使って行うベーラー工法、コンプレッサーを使って行うエアーリフト工法などがあります。

改修工事前から溜まっている土砂を取り除くケースと、

ブラッシングやスワビング後に、溜まったスケールを取り除くケースがあります。

2重ケーシング補強

既存の井戸を活かした再生方法です。既存の壊れたケーシングの内部に新しいケーシング管を挿入することで、井戸を再生させます。

ケーシングが破損した井戸に対して洗浄作業を行う場合は、2重ケーシング後に行います。

インチダウンする(井戸の口径が小さくなる)ので、既存井戸の竣工時に比べると揚水量など井戸の能力は下がりますが、井戸の寿命を延ばすことができ、同じ帯水層からの取水が可能です。

 

テレビカメラ調査

改修作業前行う井戸内部の調査です。

井戸内部がどうなってるのか、テレビカメラを入れて破損箇所等ないか確認していきます。

内部を確認することによって、どの工法での洗浄作業が効果的なのか知ることができます。

特に、老朽化によるケーシングの腐食によって生じた破損が見つかった場合は工法が限定されます。

 

井戸ポンプのオーバーホール(分解清掃・整備)/交換について

当社では、メンテナンス時に、一律に交換を勧めることはなく、

引上げたポンプの耐用年数、使用環境・状況、汚れ・劣化具合を見て、

交換が適しているか、分解清掃・整備が適しているかを判断しご提案いたします。

オーバーホールは、状況により、当社で分解清掃・整備を行う場合とポンプメーカーに委託する場合のどちらかで対応いたします。

オーバーホール中

ピグ洗浄

ケーシング管ではなく、配管内が汚れ(砂などが堆積、スケール)を取り除く作業です。

管の入口から出口までピグと呼ばれる清掃材を管内を通して擦り取ります。ブラシなどが届かない曲がった管や、長い管の洗浄に適しています。

洗浄前の配管

洗浄ピグを挿入中

洗浄中

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